今回はイラストレーターでもあり、NFTアーティストとしても大活躍中の『八色 わた』さんにインタビューさせていただきました。
今年9月にスタートしたNFTコレクション『yairo kawaii collection』を運営されています。

八色 わたさんの作品は・・・
・floor price 『0.4ETH』
・volume traded 『12.1EH』
と国内トップクラスの実績を誇っています。※ 2021.10.29時点
今回のインタビューでは、そんな八色 わたさんに対して、
・NFTで作品を出しはじめたきっかけは?
・NFTクリエイターとして大変なことは?
・これからNFTに挑戦する人に伝えたいことは?
などについて、詳しく聞いてみましたのでぜひ最後までご覧ください。
NFTは『自分の作品を守ってくれる』
さっそくですが、NFTで作品を出そうと思ったきっかけを教えていただけますでしょうか?
もともとはイラストレーターとして活動していたのですが、稼ぎがあまり良くなかったんですよね。生計を立てる為に営業DMを送るなどしていたのですが、お仕事がいただけなく、あまり本腰が入らない状況が続いていました。
そうだったんですね。NFTのことを知ったのはどのタイミングだったんでしょうか?
おにぎりまんさんの活躍でNFTのことを知り、そこから色々と調べはじめました。

実際に調べてみて、NFTについてはどんな印象を抱きましたか?
SNSで活動している時に、自分の作品が無断でSNSアイコンなどに使われることが頻繁にあったんですよね。見つける度に相手に連絡して掲載をやめてもらったりしていたのですが、キリがないなと思って・・。
それで、ブロックチェーンに興味を持ったということですね。
はい、ブロックチェーンであればみんなで相互に監視しあって不正やコピーを防ぐことができる。だから、“自分の作品を守るため”にもNFTでの出品をはじめました。
海外で勝負するには〝チーム〟が必要
実際にコレクションの運営をはじめてみて、NFTクリエイターとして大変と感じるポイントはどんなことでしょうか?
コミュニティづくりですね。やはり自分の作品を知ってもらうために、スペースなどでいかに自分がNFTに対して真剣に取り組んでいるかを積極的に発信しているのですが、そこらへんのバランスが難しいですね。

NFTクリエイターとして自分を売り込んでいく必要があるけど、自分の発言ひとつひとつが評価に繋がり兼ねないから、ややセンシティブになるということですかね。
発信とブランディングのバランスと言うんですかね。難しく感じます。
でも、Discordコミュニティであれば、わたさんのことを知っている人が多いと思うので、そこら辺は特に気を遣わなくても良いと思うのですが?
▼ 『八色わたのコミュニティ』
そっちはそっちで課題があって・・たとえば発言する人が少なかったり。アクティブじゃないDiscord部屋って、つまらないじゃないですか。
一番発言しているのが私みたいな。
でも、自分はあくまでもクリエイターなのでコミュニティ運営ばかりに時間を割くわけにはいかず・・そのバランスが難しいですね。
はい・・。ただサロンの方はみなさんとても優しいので、あまり気にしなくて良いよといった感じでフォローして下さるので、助かっています。
そういったときに、オンラインサロンのコミュニティーマネージャーのような、サポートしてくれる人がいたら助かりますよね。
そうですね。本当にそういった方は欲しいですね。しかも
海外ではチームで売り込むということが普通なのですが、
日本のクリエイターは技術は飛び抜けてるけどチームが出来ていない。
海外営業担当とか、コミュニティ担当とか、法律関係とか…
なるほど。このNFTブームの中で正直自分みたいな絵も描けない人間は “蚊帳の外” みたいな感じだったのですが、クリエイター以外にもそんな需要があるんですね。チームとして入り込む余地がある。
はい、むしろどんどん入って欲しいです。海外目指すためには、これから絶対に必要になると思います。
NFTがクライアントワークから解放してくれた
コミュニティ運営にも関することだと思うのですが、以前わたさんが“ファンマーケティング”についてツイートされていました。改めて、ファンマーケティングとはどんなものなのでしょうか?
なんとなくですが、私のフォロワーさんって
作品ではなく“人柄”をみてフォローしてくれる方が多い気がするんですよね。他のクリエイターの方達は、作品をSNSにアップしたら軽く1,000イイねとか行ったりするんですけど、私はそんなに伸びないんですよね。
だから、私が見てもらっているのは“人柄”なのかと思って、ファンマーケティングという言葉を使っています。
とはいえ、人柄でファンを獲得するのって簡単なことではないと思います。わたさんのその人柄の秘訣はなんでしょうか?
なんですかねw スペースでもどんどん呼んでもらえたり、顔出させて頂いているので、そこはみなさんが私の人柄を買ってくれているのかなと思いますね。
先ほど営業が苦手だったとおっしゃってましたが、そうやって人前に出ることも立派な営業ですよね。
そうですね。ただ私はクライアントワークが苦手だったんですよね。メール送って、営業かけてみたいな。
ご自身の性格的に、NFTクリエイターとしての方が合っていたということですかね?
はい、どちらかと言うと人と人との繋がりが好きなんですよね。人と会社ではなくて。その意味では、NFTクリエイターは性格的に向いていたかもしれないです。
面白いですね。NFTの登場によって、わたさんの活躍しやすい場が広がったとも言えますよね。
そうですね。本当に人づての方が向いていたんだなと思います。
クリエイターとして生き残るために必要なことは?
ここまで話してきて、企業案件とかクライアントワークが苦手だと話しつつも、すごくパワフルな印象を受けます。とくに、このツイート。
絵は上手いって思ってますよw あんまり伸びないけどw
いえいえ、わたさんのこだわりや強さを感じました。わたさんのようなクリエイターを見て、これからNFTクリエイターになりたい方は多いと思います。クリエイターとして生き残る秘訣はありますか?
自分が納得できるものを提供し続けて、買ってくれた人と一緒に成長して行くことですかね。
売り手と買い手という関係ではなくて、みんなで育てていくというのは、コレクション運営でも意識していることですか?
『この人が買ってくれた絵の価値を絶対上げてやるぞ』と思って、絵を描いています。
なるほど、それがモチベーションになっているんですね。クライアントワークをやっていた時と比べたら、今楽しいんじゃないですか?
でも最初は、旦那さんから反対にあっていたみたいですね。
そうなんですよw ただ私は説得が得意ではないので、旦那さんに自主的に調べてもらうことにしました。そしたら、すっかり理解してもらえました。今ではイラストの案出しを旦那さんにもやってもらっています。
あー謎が解けましたw だから分かるんですね。男性から見た女性の魅力的なポイントが。
私が書くとどうしても私の匙加減になってしまうし、女性目線の可愛さと男性目線の可愛さは全く違うので。
『自分の絵は誰が買ってくれるのか?』を考える
作品に関して、そもそも“可愛い”をコンセプトに絵を描こうと思ったらきっかけは何だったのでしょうか?
可愛いが1番わかりやすいんですよね。パッと目に入って、可愛いと言われる方が共感を得やすい。なので、可愛い路線で1年間書き続きでいます。
なるほど。確かに一覧の中にあったら目に留まりますね。
はい、しかもNFTはターゲットが投資家さんで、投資家には男性が多い。ということは、『男性が分かりやすく可愛いと思うのはやっぱり女の子だろう』と考えました。
まさにマーケティング力ですね。そのマーケティング力は作品を作りながら学んできたのでしょうか?
どうですかね・・もう
『こうやろ!』てきな感じで感覚で進んできました。まず絵を描くときに
『この絵は誰が買ってくれるのか?』と考えますよね。
ターゲットの想像を膨らませて、その人が好きそうなものはなんだろう?という感じで、今の作品になりました。
すごいですね。天然のマーケティングですねw 自分なりに試行錯綜して、今のスタイルに行き着いたということですね。
自分のペースで。焦らず。じっくり。
最後に、これからNFTクリエイターとして挑戦する方へ伝えたいことはありますでしょうか?
あまり堅苦しく考えないで欲しいですかね。最近は“NFT疲れ”とかよく聞きますが、基本的にはNFTも買ってくれる人にとって使いやすい絵が良い作品なんだと思います。
NFTって一見最先端に見えるけど、実際やっていることは買ってくれる人のことを考える、イラストレーターと変わらない。ということですかね。
そうですね。焦らずにご自身のペースでやっていけば良いと思います。
国内では、まだ市場の波さえ来ていない状況ですもんね。
ありがとうございます。あっと言う間にお時間となってしまいました。わたさん、今日はありがとうございました!
【おまけ】インタビュー後期
わたさん、穏やかで親しみのある語り口の中にも、クリエイターとしての意思の強さを言葉の端々に感じました。クライアントワークに苦手意識を持ちつつも、NFTという新たな市場に目をつけ、自分なりに調べ、理解し、実践する行動力は、さすが国内トップの実績を誇る方だなと感じました。『難しいこと考えずに、迷ったら即行動!』というわたさんの行動原理も、すごく気持ちがよく、人を惹きつける所以だなと思いました。
また、マーケティングに対する考え方も、大変勉強になりました。シンプルに『自分の絵を買ってくれるのは誰なのか?』を考えて、自分が納得いく作品を描き続けていく。ご自身では感覚でやっていると謙遜されていましたが、それもクリエイター時代から培った経験あってのものと感じました。一方で、わたさんなら本当に感覚でやってしまいかねないという気もしつつ…w
30分という短い時間でしたが、本当に楽しく過ごさせていただきました。
これからも、わたさんのご活躍楽しみにしております!
貴重なお時間ありがとうございました!

▶︎ yairo kawaii collection